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2015年7月14日 (火)

喜賓会で用いられた「観光」

喜賓会は、外客接遇のあtめに明治26年3月に設立された組織ですが、その目的の中に「・・・行旅の快楽、観光の便利を享受せいめ、・・・」と記されています。

これについての直接の史料としては『喜賓会解散報告書』がありますが、そのほかには例えばジャパン・ツーリスト・ビューローの『回顧録』(昭和12年)に掲載されています。

設立当初、新聞にはどのように扱われているのだろうと東京朝日新聞を見てみましたが、関連する記事はありませんでした。

新聞記事では、明治37年4月21日に「●外人来遊勧誘」という記事があり、「喜賓会は・・・・・・我内地旅行観光に・・・」というのがあります。

この2つの「観光」の用例には、行旅ないし旅行と観光が並んで記されており、このことが、「観光」の語源が表しているものを改めて考えてみるきっかけの一つとなりました。

語源の「観国之光 利用賓于王」は、簡単にいうと、国・地域を観察して、徳が盛んな様(光)を見たら、その王(徳高き王者・為政者)に仕えるのが良い、というような意味です。

これをよく考えてみると、観察する国・地域までの移動については言っていないということがわかります。徳高き王者は、自分の国にいる場合もありますから、移動に言及しないのは当然のことといえます。(だから、「観光(の語源)」には、もともと国内とか国外(国際)とかないわけです。「他国へ行く」としてしまったら、自国に徳高き王者がいたときに、「利用賓于王」の占が不能になってしまいます。)

目的地までの移動のことは「観光」には含まれないから、旅行・行旅と観光が並んで記載されているのではないか、と理解されるわけです。

現在でも、例えば「京都観光」といえば、京都の中を指して、アクセスは含めません。

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